便秘で硬い便が出る時、肛門がこすれて切れた状態です。だれでも一度は経験したことがあると思います。意外と思われるかもしれませんが頻回の下痢でも切れ痔はできます。症状は痛みと出血で、治療は排便習慣の改善と薬による治療が中心です。何回も繰り返し、慢性化すると肛門狭窄(肛門が狭くなること)となることがあり、その場合は手術が必要となることもあります。
痔核に次いで多く、女性より男性に多い疾患です。痔ろうは肛門内から、主に肛門の外の皮膚に膿のトンネルができる状態です。前段階として発熱とともに肛門の周囲に痛みを伴うしこりが出現し、膿が形成されます(肛門周囲膿瘍)。その後、膿が排出されますと熱発、痛み、腫れなどの症状は軽快しますが、その後も膿のトンネルが残った状態が痔ろうです。肛門周囲膿瘍の人がすべて痔ろうに移行するわけではありませんが、半数以上の人が痔ろうになるといわれています。 治療は肛門周囲膿瘍の状態では切開して膿を出すことが必要です。ごく初期の状態では抗生物質の内服で治癒することもあります。また、痔ろうに移行した場合は手術が必要となることが多いです。手術は、入院して行う方法(切開開放術、括約筋温存術)では約10日間の入院が必要です。膿のトンネルにゴム糸を通して徐々にしめていき開放していく方法(シートン法)は外来手術(日帰り手術)が可能ですが、治癒までに数カ月必要となります。
予防で一番重要なのはやはり便通異常の改善です。便秘、下痢は肛門に最も負担がかかります。また、排便時のいきみも肛門にはよくありません。長時間立ちっぱなしや座りっぱなしもうっ血して肛門に負担がかかります。また、食生活も重要で、過度に辛いものやアルコールは便通に影響をおよぼしますので摂りすぎに注意しましょう。 痔は生活習慣病のひとつともいえます。生活習慣の改善によって便通異常を改善し、肛門への負担をできるだけ減らしましょう。
ジオン硬化療法は、脱出を伴う内痔核にジオン注とよばれる注射剤(硬化剤)を投与することで痔核を縮小し、脱出や出血を改善する治療法です。これまで手術が必要とされていた痔核の一部に対しても有効で、治療時間はわずか10〜20分程度で、外来治療(日帰り手術)が可能です。内痔核を切らずに治すとよばれる所以です。 この治療法は「四段階注射法」という独特な手法を用いた特殊な投与技術が必要であり、決められた手技講習会を受講した専門医しか実施できません。 当院では日帰り手術で「ジオン硬化療法」を施行しております。
ジオン注はひとつの痔核に対して図のように4か所注射をします。
注射後は痔核へ流入する血液の量が減り出血が止まります。脱出の程度も軽くなります。 多くの方が注射後翌日には出血、脱出の症状の軽快を認めます。 その後は投与した部分が次第に小さくなり、癒着・固定して出血、脱出がみられなくなります。