そけいヘルニアはお薬では治すことはできません。また、成人のそけいヘルニアは自然には治りません。
下腹部に隆起を認め、不快な症状がある場合は、専門医にご相談下さい。
手術件数
国内の手術件数は年間12~15万件、患者の8割以上が男性です。
手術方法
現在はメッシュを用いる手術が主流です。
アプローチの方法とメッシュを留置する位置により手術法が分けられます。
アプローチによる分類
①前方アプローチ法または鼠経部切開法
鼠経部(足の付け根)の皮膚を切開してヘルニア嚢を処理してメッシュを留置する方法。
おもに腰椎麻酔(下半身麻酔)、局所麻酔でおこなわれる。
主な術式:リヒテンシュタイン法、メッシュプラグ法、TIPP法(クーゲル法、ダイレクトクーゲル法)
②腹腔鏡手術
お腹に小さな穴を数か所開け、カメラと専用の器具を挿入して体の内側からヘルニア嚢を処理して
メッシュを留置する方法。
おもに全身麻酔(人工呼吸)でおこなわれる。
主な術式:TAPP法、TEP法
メッシュを留置する位置による分類
①横筋筋膜の外側にメッシュを留置する方法
イメージとしては外側から蓋をする方法。支えがないので腹圧によりメッシュが押し出されようとする力が働きやすい。
主な術式:リヒテンシュタイン法、、メッシュプラグ法(プラグは腹膜前腔に留置されますが、パッチは横筋筋膜の外側に留置されます。)
②横筋筋膜の内側(腹膜前腔)にメッシュを留置する方法(腹膜前修復法)
イメージとしては内側から覆う方法。腹圧がかかってもメッシュが横筋筋膜や筋肉で支えらえるため構造的に丈夫に補強ができる。
主な術式:TAPP法、TEP法、TIPP法(クーゲル法、ダイレクトクーゲル法)
当クリニックではダイレクトクーゲル法を用いた日帰りのそけいヘルニア手術をおこなっております。
TIPP法(ダイレクトクーゲル法)
形状記憶リングに縁取られ、中央にストラップの付いたポリプロピレン製の円形メッシュで内側から腹膜を覆い腸などが出てくるのを防ぎます。ポリプロピレンメッシュは40年ほど前から使用され、体内使用の安全性は確立されています。
当院では異物感、違和感のより少ないライトウェイトメッシュ(モディファイドオンフレックスメッシュ)を用いてダイレクトクーゲル法を施行しております。

- TIPP法(ダイレクトクーゲル法)の特色
- 術後の違和感が少ない:横筋筋膜の内側にメッシュを留置するため、表面を走る神経を刺激しにくく、術後のツッパリ感を抑えることができます。また、腹圧でメッシュが押し付けられるため基本的には縫合固定を必要とせず(または最小限で済む)、違和感がより生じにくくなります。
- 再発のリスクを抑える:メッシュを腹膜前腔に留置するため、腹圧を利用してメッシュを固定する「腹膜前修復」の利点を得られます。
- 全身麻酔(人工呼吸)を避けることができる:局所膨潤麻酔+静脈麻酔で手術が可能なため、日帰り手術が可能です。
- 低コスト、短時間:腹腔鏡を使用しないため手術費用が抑えられます。また腹腔鏡に比べて短時間で手術が可能です。
- 以上のように 「鼠経部切開法」と「腹膜前修復法」の両方の利点を兼ね備えた術式と言えます。